NY Club Report

2000年の5月末から6月の中旬にかけてNYへ行ってきた。まだツインタワ−がテロの被害に遭ってない時代の話である。毎日のように夜遊びしていた。羨ましいと思われる人もいらっしゃると思うが、このような過酷でハードな旅は始めての体験であった。まるでなにかに急き立てられるように、連日連夜クラブに通い続けた。NYは休ませてくれはしなかった。毎晩どこかしらで大物DJが回しており、一週間イベントが途切れることがないのだ。根が貧乏性のワタシはせっかくNYに来たからっていうんで、どんな小さなパーティーも見逃さなかった。月曜はRon Trent@Shineで咽び泣き、火曜はThe Monster@Freshbackでゲイのお兄さんにもみくちゃにされ、水曜はDanceRityal で灰になる一歩手前まで燃焼。木曜はDerrck Carter@Centoro Fly にフェイントをかけられるも、凝りずに金曜はDanny Tenagliaのプレイに脳みそを底からかき回され玉砕。土曜はRoxy、Twilo、Shelterと三軒はしご、興奮覚めやらぬまま日曜のアフタ−アワ−ズ、Body&Soulになだれ込むといった、まさに鬼のようなスケジュ−ルをこなしていた。毎晩、ド−パミン、アドレナリンといった大量の脳内分泌液が流失しっぱなしという状態が続いたのはいうまでまない。遊びというより、もはや体力の限界に挑戦していたといっても決して過言ではなかった。これだけクラブ通いを続けたらいくらなんでも飽きるだろうと思いきや、不思議と毎日が新鮮だった。おそらく小生の生涯でこのよーなバブリーな日々は2度と訪れることがないかもしれない。体を張って遊んだNYClub体験レポ。ニューヨークに御旅行の際の参考になれば嬉しいっス。


VINYL  − 6 hubert Street (off of Hudson St) 

場所はソーホーの外れ。トライベッカの中心、ハドソンスクエアの左の路地を入った右にある。地下鉄CANAL・St下車。近くにロバート・デ・二ーロがオーナーをしているイタリアンレストラン「ノブ」がある。ほかにも洒落たオープンカフェが数件あり、衣食住に充実したエリア。NYに住むならこの近辺が良いなーと思う。家賃高そうだが。最近、クレア・ディ―ンズが近くのロフトを一億円で購入したとの噂…。まあ、そんなことはどーでもいいか。(笑)
さて、今やNYを代表するクラブとなった感のあるVINYL。フロアはそれほど広くなくイエローを一回り大きくした程度。水曜日は"Little Louie"VegaのDance Ritual。金曜日はDannyTenagliaのBE YOURSELF。土曜日はTimmy RegisfordのShelter。日曜日はJoeClaussell、DannyKrivit、Francois-KによるBody&Soulと要チェキイベントが目白押し。
世界中からよなよなコアな音楽好きが集まってきて、毎日通っても決して飽きることはない。DannyTenagliaのパーティーを除けばガラージ中心のセレクトが嬉しい。今回のNY滞在期間中、最も多く足を運んだハコでもある。2000年の11月に閉鎖騒動があったが、その後もクローズの噂は絶えず、行くなら今のうちに!どうやらオーナーが死亡したようで、その息子が手放すらしいという未確認情報が入ってきている。(2001年の春にクローズか? が、この手の噂は信憑性がなく、話しも尾ひれがついて広まるので、あまり気にする必要はないかもしれない)ちなみにVINYLはアルコール禁止。しかたなくホテルを午後10時近くに出て地下鉄に乗り、近くのイタ飯屋でハイネケンを浴びるほど飲み、午前1時を回ってからほろ酔い気分でクラブに繰り出すという怠惰な日々を送っていた。今から回想すると夢のような生活であった。夢だったのか!?入魂のVINYLクラブレポート☆↑の写真をクリックしてください!(なんていってるうちに、遂に2001年9月、VINYLは惜しまれつつ閉鎖となりました)

 

SHINE  − 529 W.20th St

VINYLの東、ロータリーを挟んだ、通りを一本隔てたCanal Stを右に入ったところにある。VINYLから100メートルぐらいしか離れていない。毎週月曜日に行われるGiant Stepが有名。レジデントDJはRon Trent 。ゲストにDJ KrushやPaul Oakenfold等の大物も招聘される。偶然かもしれないが、なぜか他のクラブに比べて日本人の観光客が多いような気がした。どこかのメジャ−なガイドブックにでも掲載されているのかもしれない。ハコとしては少々狭いがアルコールOKで気持ち良く踊れる。落ち着いたおとなの雰囲気で、ジャズバンドのライブなどイベントも頻繁に行われているようである。普段は夜中の2時ぐらいに終わってしまうので注意。

 

ROXY  − 515 west 18th St (between 10th & 11Th Ave)

場所はチェルシー。近くに地下鉄の駅はない。東京でいえば芝浦に近い雰囲気の場所にあり、かってのゴールドを思わせるロケーションである。コム・デ・ギャルソンのショップも近くにオープンし、閑散としてるわりには家賃も高いらしく、地元ではそれなりにイケているスポットらしい。
ROXYはいまやNYハードハウスを代表するDJに成長した
Victor Calderoneのホームグラウンド。既にそのポテンシャルはトワイロの土曜を凌ぐともっぱらの噂ではあった。真相を確かめるべく、一人果敢に出陣したのだが・・・・。予想を遥かに上回る熱狂振りに驚愕、その目を疑う光景に唖然とさせられる羽目に!怒涛の現地取材緊急レポートっス!なま物なのでお早めに牡召し上がりください。

 

TWILO  − 530 west 27th St

2000年の4月に来日し、1万円という破格の値段にもかかわらず満員御礼であったヴァスケスのパーティー。日本でいかにTwilo伝説が波及、増幅されているかが証明されてしまった訳である。この事実を地元のニューヨークッ子に話しても誰も信じないかもしれない。あるいは日本人って今でもそんなに金持ってるのかと驚くかも。次回もあのプライスでお客が入ったのならば、日本でのヴァスケス人気は本物であろう。(入るとは思えないが)いろいろケチくさいことを書いてしまったが、ジュニアのDJとしての力量はまぎれもなく本物であり、流石にNYのDJ界で頂点を極めただけのことはある。彼のいわば”帰る場所”でもあるTwiloの土曜は、やはり一言素晴らしかったとだけ申し上げておこう。レポをお読みになりたい方は↑の写真をクリックしてください。ちなみにチケット25ドル。このくらいが妥当な値段であると私は思う。場所はチェルシー。Roxyからも歩いていける距離。だからこそ余計にCalderoneに対してジェラスを感じてしまうのだろう。ねえ、でしょ。ジュニア。(笑) 不肖もんどぅが体験した土曜のTwilo。本番手抜きなし一本勝負でお送りします。(2001年5月、トワイロは惜しまれつつ閉鎖されました。)

 

CENTRO-FLY  − 45 W. 21st (between 5th & 6Th Ave)

マンハッタンのほぼド真中。地下鉄23・St下車。フラットライアンビルが目印。5番街を左へ入った路地の右側に位置する。昼間はまったく目立たない。近くにヴァージンメガストアやストランドブックストアがある。以前はトランプスという名のクラブだったらしいが定かではない。店の左向かいにライバルとなるCheetahがあり凌ぎを梳っている。注目は毎週木曜日に行われるSublininal Session。Erick Morilloが主宰するこのパーティーはゲストDJの顔ぶれが凄い。Frankie Knuckles、Tony Humphries、ArmandoVan Helden、Roger Sanchez等、超豪華。カクテルもうまく、ミニスカ姿のウエイトレスがいたりして、クラブというより日本のひと昔前のディスコに近い雰囲気。したがってナンパ目的で音楽をほとんど聴いてないお客さんも目立つ。(笑)フライヤー持参で10ドルというリーズナブルな値段は◎。入り口でドレスチェックあり。VINYL無きあと"Little Louie"VegaのDanceRitualも移動し、今後台風の目となる可能性のある、NYで最も注目すべきクラブかもしれない。

☆ およそNYほどスクラップ&ビルドが激しい街もないだろう。それはなにもクラブに限ったことではなく、レストランにしてもブティックにしても同じことがいえるのだが。現在、トワイロ、セントロ−フライ、ヴァイナルは軒並みクロ−ズし、新たなクラブがビシバシ出来ている。管理人とて毎年NYに行くわけにもいかず、そのスピ−ドに追いついていかないのが現状だ。最新情報を入手するには、やはり直接NYに行くしかないのだ。現地にお住まいの方、リピ-タ−の方の貴重な情報お待ちしています。